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皆さん、こんにちは。福祉施設の研修講師「いし~ちゃん」です。
このブログでは、介護や福祉に携わる方に向けて、「短時間で好きな時間に分かりやすく学べる」をモットーに、研修内容や明日から使える介護・福祉に関する知識をご紹介していきます。
- 研修に使える資料がほしい
- 研修のポイントを知りたい
- パワーポイントに使える資料が欲しい
- 勉強したいけど、時間や費用はかけたくない
このブログを活用していただければ、勉強したいと思っている介護・福祉従事者の方はもちろん、研修を担当している方にとっても役立つ内容を得ることができます。
今回の記事では、「介護職員のためのアンガーマネジメント研修」の内容をご紹介していきます。
アンガーマネジメントスキルを習得することで、ストレスの軽減や人間関係の改善、虐待防止などにつながります。毎日忙しくイライラしがちな方は必見の内容になってます。
ぜひ、最後まで読んでいってくださいね。
アンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合いコントロールするスキルを得るための心理トレーニングのことです。
アンガーマネジメントのポイント
・感情を受け止めて、上手に怒ることを身につける
・怒る必要のないことに怒らない
・怒りの感情によるストレスを軽減する
アンガーマネジメントは、「怒ってはいけない」ということではありません。
アンガーマネジメントを学ぶメリット
アンガーマネジメントを学ぶメリットは以下の5つです。
1,怒りをコントロールしてストレスを軽減できる
2,怒りの原因を整理して、適切に対処することができる
3,怒りを適切に相手に伝えることができる
4,コミュニケーションが円滑にできる
5,モチベーションアップにつながる
介護現場は、人手不足で業務が忙しい上、重度のご利用者の介護負担や認知症ご利用者の対応など、ストレスが溜まりやすい環境にあります。
また、様々な職種や世代が同じ職場で働くため、人間関係のストレスも感じやすい職場です。
介護現場でアンガーマネジメントが必要な理由
人手不足で忙しい中、ご利用者に何度も同じ対応をしなければならなかったり、他の職員から文句や悪口を言われるなど、ストレスを感じる場面が多く存在します。
その結果として…
・ご利用者に対する言葉や対応が乱暴になる
・コミュニケーションが不足し、職員間の人間関係が悪化する
アンガーマネジメントのスキルを身につけることで、自分を客観視することができ、「イライラ」や「怒り」の原因を整理したり、怒らないための行動を手にすることができます。
「怒り」の正体
「怒り」は、自分の「こうあるべき」と相手の「こうあるべき」の間に起こるギャップにより起こります。
例えば、ある介護職員は「看取り期は身体に負担がかかるかた無理に起こさない方がいい」と考えているとします。一方、ある介護職員は「看取り期でも、寂しさを感じないように体調を見ながら起きる時間を設けるべきだ」と考えていたとします。
すると両者の間で、「こうあるべき」のギャップが生じてしまいます。
・「こうあるべき」という価値観や期待を裏切られた時に、「怒り」を感じやすくなります。
これが怒りの感情につながります。
「怒り」の感情が生むデメリット
「怒り」の感情が生み出すデメリットについて確認しておきましょう。
まずは「ストレスの増加」です。
怒りの感情は、自分の身を守るために必要な感情です。しかし、頻繁に怒ることは多くのエネルギーを必要とし、ストレスの増加にもつながります。また「怒り」をぶつけられた相手もストレスを感じ、職場全体がストレスフルな場所になってしまいます。
次に「モチベーションの低下」です・
怒りの感情は伝染しやすく、モチベーションの低下につながります。いつもイライラしていたり、感情のままに行動する人とは一緒にいたくはありませんよね?常に機嫌を伺いながらだと、コミュニケーションや連携が取りにくくなってしまいます。やる気も出ませんよね。
そして「行動の萎縮」です。
感情的な怒りは、相手の行動を委縮させていしまいます。怒られた相手は、それ以降あなたの顔色ばかりを気にして、自分の意見を言いにくくなってしまいます。また怒られるのではないかと、意見や考えが言いづらい職場環境になります。
アンガーマネジメントの実践する6つの方法
それでは、アンガーマネジメントをどのように実践していくのかを解説していきます。
まず大切なのは「自分の感情と向き合うこと」です。
「怒り」は相手とのギャップにより生まれやすい感情と説明させていただきました。
根本的に、相手をコントロールすることはできません。
・自分が「怒り」を感じた時にどうするのか?
・相手が「怒り」に任せた態度をしてきたら、自分はどう対処すべきなのか?
自分の行動に目を向けることが重要です。
アンガーマネジメントの実践①:「怒り」を感じたら6秒間待つ
突発的・衝動的な感情から理性を取り戻すまでの時間が「6秒間」と言われています。
「怒り」を感じた瞬間に、衝動的に起こす言動には後悔しか残りません。まずは、「6秒」時間をおいてから対処しましょう。
アンガーマネジメントの実践②:一度その場から離れる
「怒り」が収まらず、冷静な対処が難しい場合、その場から一旦離れましょう。
落ち着くための時間が必要です。
その際は無言で離れるのではなく、「もう少し考えます。」「参考になりました。」などひと言添えると相手も不快にならずに済みます。
アンガーマネジメントの実践③:自分のコーピングマントラを唱える
コーピングとはストレスに対処する行動のことです。
コーピングマントラは、自分の気持ちを落ち着かせる言葉のことで、「大丈夫」や「冷静に」などと呟いたり、心の中で唱えると効果的です。
アンガーマネジメントの実践④:相手に期待しない
「怒り」の感情は、自分の中の「こうあるべき」「こうするべき」と相手の行動や考え方とのギャップで生まれやすくなります。
そもそも自分と相手は違う人間なので、相手が自分の望む行動をすることはないということを意識しておくことが必要です。
アンガーマネジメントの実践⑤:「怒り」の感情を自己分析する
「怒り」の場面の後、その怒りに関して自己分析をします。
「どの言葉、どの態度に反応したのか?」「自分の言葉や態度に問題はなかったか?」をふり返り、次回同じような場面が起きた時のための対策をしておきます。
アンガーマネジメントの実践⑥:「怒る」メリットがあるかを考える
「怒る」ことで変えられることなのかどうかを考えましょう。
いくら怒っても変えられないことはあります。自分でコントロールできないことに怒っても仕方がないので、自分ができることを考えて行動するようにしましょう。
なぜ、こんなに人手不足なんだ!チクショー!と言っても、明日から人が増えるわけではありませんよね。
「怒り」の正しい伝え方4つ
それでは次に「怒り」の伝え方について解説します。
衝動的・突発的にではなく、自分は今「こう思っている」ということを適切に相手に伝える方法です。
「怒り」の正しい伝え方①:アサーティブなコミュニケーション(アサーション)
アサーティブとは、「自己主張」という意味ですが、これは相手に一方的に意見を述べるのではなく、相手の意見や価値観を尊重しつつ、適切な方法で伝えることを言います。
感情的にならず、穏やかな口調でゆっくりと伝えるのがポイントです。
「怒り」の正しい伝え方②:主語を「自分」にして伝える
「あなたの対応が悪いから…」「主任が聞いてくれないから…」と相手を主語にするのではなく「自分は〇〇した方が良いかなと思う」「私の話を聞いてくれると助かります」など、自分を主語にすることで、相手も話を受け止めやすくなります。
「怒り」の正しい伝え方③:具体的な場面を伝える
曖昧さや抽象的な表現は、誤解を生みやすくなります。イライラしていると「なるべく早く」「きちんと」などの表現になりやすく、人によって対応が変わってきてしまいます。
「〇日の〇時までに」「○○が終わったら、〇〇へ片付けてから次の業務へ」など具体的に伝えることを心がけましょう。
適切な場所やタイミングで伝える
まわりにたくさん人がいる前で注意されたり、イライラして感情的になっている相手に伝えようとしてもうまくいきません。
静かで落ち着いて話せる場所の選定や相手が落ち着いているタイミングなど、話をしやすい環境を選んで伝えるようにしましょう。
アンガーマネジメントのまとめ
介護現場は、ご利用者や職員同士など、人と接することが多い職場です。そのため、ついイライラしたり感情的になることも多いと思います。
アンガーマネジメントは、感情をコントロールして、コミュニケーションを円滑にするためのスキルです。
「最近イライラすることが多い」「職場の人間関係がうまくいかない」などの悩みを抱えている方は、ぜひアンガーマネジメントを職場で取り入れてみてください。