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皆さん、こんにちは。社会福祉士の石井雄樹です。
このブログでは、介護や福祉に携わる方に向けて、「短時間で好きな時間に分かりやすく学べる」をモットーに、研修内容や明日から使える介護・福祉に関する知識をご紹介していきます。
このブログを活用していただければ、勉強したいと思っている介護・福祉従事者の方はもちろん、研修を担当している方にとっても役立つ内容を得ることができます。
「人間関係のストレス」を減らす実践的アプローチ
介護・福祉の現場で働く中で、こんな悩みを感じたことはありませんか?
- 仕事そのものは嫌いじゃないのに、人間関係で疲れてしまう
- 同僚の言動にイライラしたり、落ち込んだりしてしまう
- 注意や指導のつもりが、関係を悪化させてしまう
- 愚痴や不満ばかりが増え、職場の雰囲気が重くなる
実はこれ、多くの施設・事業所で共通している課題です。
そして原因は、能力ややる気の問題ではなく、**「コミュニケーションのズレ」**にあることがほとんどです。
本記事では、実際の研修資料
『職場の人間関係が円滑になるコミュニケーションの3つのポイント』
(伝え方・質問力・受け取り方)をもとに、現場ですぐ使える形で徹底解説します。
なぜ「人間関係」が職場のストレスになるのか

業務よりも「人間関係」で疲れてしまう現実
介護・福祉の仕事は、専門性が高く、やりがいも大きい仕事です。
それでも多くの職員が口にするのは、
「仕事は好き。でも、人との関わりがしんどい」
という本音です。
介護・福祉現場は「感情」が交差しやすい
- ご利用者・ご家族との感情的なやり取り
- 多職種(介護・看護・相談員・リハ職など)の価値観の違い
- 慢性的な人手不足による余裕のなさ
これらが重なり、感情がぶつかりやすい環境になっています。
問題の正体は「コミュニケーションのズレ」
多くの場合、問題は
- 伝えたいことと、伝わったこと
- 聞きたいことと、聞こえたこと
このズレから生まれます。
そもそも大前提:「価値観は違って当たり前」

正しい・間違いではなく「違い」
同じ出来事でも、
- 「チャンス」と捉える人
- 「リスク」と捉える人
がいます。
相手の反応が理解できなくても、それは価値観の違いであって、敵意とは限りません。
価値観の違いは「問題」ではない
問題なのは、
- 違いがあること
ではなく - 違いをどう扱うか
です。
変えられるのは「相手」ではなく「自分の関わり方」

ここが、この研修の最重要ポイントです。
- 相手を変えようとすると、関係は悪化する
- 期待が大きいほど、失望や怒りが生まれる
一方で、
自分の関わり方を変えると、相手の反応が変わることがある
これは現場で何度も確認されている事実です。
コミュニケーションの3つのポイント
職場の人間関係は、次の3つで成り立っています。
- 伝え方
- 質問力
- 受け取り方
基本は、
「感情」と「解決すべき課題」を分けて考える視点です。
ポイント① 伝え方|伝え方で関係は9割決まる
否定は、相手を一瞬で防御モードにする
「でも」「それは違う」「普通はさ…」
こうした言葉は、内容が正しくても
“攻撃された”と受け取られやすいのが現実です。
人は
- 何を言われたか
より - どう言われたか
を強く記憶します。
否定しない伝え方の3原則
① まず受け止める
評価せず、そのまま聴く
② 責めない
事実と気持ちを分けて伝える
③ 説得しない
相手に考える余地を残す
アイメッセージ(Iメッセージ)を使う
❌ Youメッセージ
「なんで報告してくれなかったんですか?」
⭕ Iメッセージ
「報告がないと状況が分からず、私は少し不安になります」
主語を「私」に変えるだけで、関係は驚くほど変わります。
ポイント② 質問力|質問が人間関係を左右する
詰問と質問は、まったく別物
詰問
- 相手を追い詰める
- 責任追及
- 防御・反発を生む
質問
- 思考を整理する
- 気づきを促す
- 解決に向かわせる
特に「なぜ」は、使い方次第で詰問になります。
愚痴・文句を「課題」に変える質問
感情の裏には、必ず課題があります。
使える質問例:
- 「それで一番困っているのは何ですか?」
- 「理想の状態はどうなっていますか?」
- 「どうすれば良くなりそうですか?」
愚痴 → 質問 → 課題
この変換ができると、職場は確実に変わります。
ポイント③ 受け取り方|自分の心を守る技術
すべてを真に受けない
相手の言葉=相手の事情。
- 経験
- 価値観
- 余裕のなさ
が反映されているだけのことも多い。
「事実」と「解釈」を分ける
例:
事実
同僚に挨拶したが、返事がなかった
解釈A(自分を責める)
「嫌われている」
解釈B(状況を推察)
「忙しかったのかもしれない」
👉 解釈は、自分で選べる
「聞く」と「同意する」は別
- 傾聴=全面肯定ではない
- 共感=同意ではない
この境界線が、感情に巻き込まれない防波堤になります。
その関わり方で、何が変わったか?(自分への問い)
- 文句を言い続けて、課題は解決したか
- 誰かを悪者にして、雰囲気は良くなったか
- 否定的な関わりで、信頼は築けたか
- その言動は、望む職場につながっているか
関わり方は、必ず結果で返ってきます。
まとめ|コミュニケーション3つのポイント再確認
① 伝え方
- 否定しない
- Iメッセージを意識する
② 質問力
- 詰問ではなく質問
- 前向きな問いで課題解決
③ 受け取り方
- 事実と解釈を分ける
- 感情を一度脇に置く
どれか一つ欠けても、良好な人間関係は築けません。
今日からできる4つのアクション
- 1日1回、アイメッセージを使う
- 愚痴を「課題」に変える質問をする
- 嫌な言葉は「事実」と「解釈」に分ける
- 否定ワードをひとつ減らす
最後に
変えられるのは、自分だけかもしれません。
でも、あなたが変わることで、
「私も変わりたい」
そう思う人が、きっと現れます。
この小さな変化が、
職場の空気を、そして人間関係を確実に変えていきます。