【最新版】福祉従事者のための個人情報及びプライバシー保護に関する研修

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【最新版】福祉従事者のための個人情報及びプライバシー保護に関する研修

 皆さん、こんにちは。社会福祉士の石井雄樹です。

 このブログでは、介護や福祉に携わる方に向けて、「短時間で好きな時間に分かりやすく学べる」をモットーに、研修内容や明日から使える介護・福祉に関する知識をご紹介していきます。

  • 研修に使える資料がほしい
  • 研修のポイントを知りたい
  • パワーポイントに使える資料が欲しい
  • 勉強したいけど、時間や費用はかけたくない

 このブログを活用していただければ、勉強したいと思っている介護・福祉従事者の方はもちろん、研修を担当している方にとっても役立つ内容を得ることができます。

 今回の記事では、「個人情報及びプライバシー保護に関する研修」の内容をご紹介していきます。

 今回は、個人情報やプライバシーの重要性に加えて、日常の事例をあげながら気をつけるべきポイントを解説していきたいと思います。

個人情報とは何か?

介護サービスと個人情報・プライバシーとの関係性

具体的な事例からみる日々の業務で気を付けるべきポイント

個人情報とプライバシーに関わる私たちの責任

 このような内容となっています。

【法定研修】個人情報及びプライバシー保護に関する研修動画

個人情報とプライバシーの定義

 個人情報とは簡単にまとめると以下の3つに整理されます。

  • •情報それ自体で、特定の個人を識別することができるもの(氏名、顔写真など)

  • •他の情報と照合することにより特定の個人を識別できるもの(生年月日、住所など)
  • •個人識別符号が含まれるもの(マイナンバー、旅券番号)

 個人情報はプライバシーの一部であり、プライバシーを簡単にまとめると以下のように整理されます。

  • •「個人の秘密にしたい情報」や「他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由」
  • •プライバシーは個人の主観により、個々にその範囲が異なるもの

 ここでのポイントは、「プライバシーは個人よって範囲が異なること

 つまり、「自分が知られても良いものから、相手も同じように知られても問題ない」とはならないということです。

介護サービスと個人情報及びプライバシーの関係性

 介護保険サービスを利用するということをイメージしてみてください。

 介護保険サービスを利用するためには、以下のような情報が必要です。

  • 氏名、住所、生年月日(本人の基本情報)
  • 要介護認定に必要な認定調査(介護保険サービス利用のために必要)
  • 医療情報(病歴、服薬情報など)
  • 家族や緊急連絡先(支援体制の確認)

 また、介護を受けるということは、プライバシーに介入されるということです。

  • ご利用者の生活全般を支えていくためには、「排せつ」「入浴」「その他日常生活の行動」など、プライバシーに介入する場面が避けられない

介護サービスとご利用者の尊厳

 上記で述べたように、介護保険サービスを利用するためには個人情報が必要で、介護を受けるということは、プライバシーに介入されるということです。

 それは、私たち介護サービスを提供する側からは、当たり前のこととして捉えられます。

 では、ご利用者の立場に立った時、それを当たり前と全てを受け入れて納得できるでしょうか?

 「もし自分が介護を受ける立場だったら?」

 「当たり前のケアは、どんな気持ちを生むだろうか?」

ご利用者の気持ちに寄り添うことが、信頼と安心を生む

当たり前のケアに、尊厳を守る意識を持つことが重要

 私たちは、このようなことを常に意識しておく必要があります。

個人情報とプライバシーに対する責任

〇個人情報は、知られたくない“自分の一部”。

〇プライバシーは、触れられたくない“心の領域”。

 どちらもとても繊細で、守らなければ簡単に傷つけてしまうデリケートなものです。私たちはそれらを預かる者としての責任があります。

個人情報保護のためのポイント

 個人情報保護のポイントは、以下の3つです。

  1. 適切な管理:言書類は収納・廃棄、電子機器はロックを徹底など。
  2. 会話と視覚情報への配慮:情報共有は専用スペースで、視覚漏洩防止を徹底など。
  3. 職員教育:研修で意識を向上し、ルールの遵守を習慣化。

個人情報保護ー事例と対策①

「パソコンやタブレットを開いたままにしている」…職員が業務中に、ご利用者の情報が表示されたパソコンやタブレットを開いたまま、その場を離れてしまった場合など、外部から来た業者や訪問者、ご利用者や家族画面を覗き見る可能性がある。

  • 短時間でも必ずロック: 席を離れる際は必ず画面をロックする習慣を徹底する。
  • 自動ロックの設定: 一定時間操作がない場合、自動で画面がロックされるように設定する。

個人情報保護ー事例と対策②

利用者情報が記載された書類を机上に出したままにしている」…職員がインテークやケア記録などの個人情報が記載された書類を机上に置いたまま、その場を離れてしまった場合、外部から来た業者や訪問者、ご利用者や家族に見られる可能性がある。

  • 即収納ルール: 情報を扱った書類は、作業後すぐに引き出しや鍵付きキャビネットに収納する。
  • 仕切りの活用: 作業スペースに仕切りを設け、他の人から見えないようにする。

個人情報保護ー事例と対策③

「無意識の会話で情報を漏らす」…フロアや食堂など多くの人がいる場所で、職員同士が利用者のケア内容や家族情報等について会話している際に、周囲にいるご利用者や外部から来た業者や訪問者に聞かれてしまう。

  • 専用スペースで話す: 情報共有はスタッフルームや専用スペースなど、他の人が聞けない場所で行う。
  • 情報量を制限: 話すべき内容を事前に整理し、必要最低限の情報に絞る。

個人情報保護ー事例と対策④

自宅訪問時の情報漏洩リスク」…複数の訪問を予定しているケアマネが、ご利用者宅を訪問した際、誤って他のご利用者の情報を出してしまった場合、ご利用者や家族と関係ない方の情報が漏れてしまう。

  • 確認作業: 訪問したご利用者の方と情報が一致しているか、かばんから出す前に落ち着いて確認をする。
  • 時間的余裕を持つ: 慌てないように、訪問時間などに余裕を持って予定を立てる。

個人情報保護ー事例と対策⑤

情報の持ち出しと置き忘れ」…ケアプラン作成に必要な情報やインテーク・アセスメント用紙などの書類やメモを車内や訪問先に置き忘れてしまうことで、関係のない第三者に個人情報を見られるリスクが限りなく高くなる。

  • 確認の習慣化:訪問後は車内や訪問先で忘れ物がないか必ず確認。
  • 電子化:必要書類はできるだけデジタル化し、暗号化されたデバイスで管理。
  • 専用ケース:物理的にロックがかけられるケースを持参。

プライバシーへの配慮

 プライバシーへの配慮のポイントは、以下の3つです。

  1. 個別性を尊重したケア:プライバシーを配慮し、利用者ごとに適切な対応を行う。
  2. 環境整備の徹底:仕切りやカーテンで視線を遮り、安心感を提供する。
  3. 説明と同意の徹底:ケア前に内容を説明し、利用者の同意を得ることを徹底する。

プライバシーへの配慮ー事例と対策①

 「入浴場面におけるプライバシー」…ご利用者の全身の露出や身体を洗うなどのサポートが必要になるため、プライバシーが最も侵されやすい場面である。

  • 事前説明:入浴前に事前説明をきちんと行い、急に衣類を脱がせたりしない。
  • 部分的な露出:待機中などは、なるべく露出部位を減らすように工夫する。
  • 視線の遮断:カーテンや仕切りなどを活用し、他人から見られない環境を作る。

プライバシーへの配慮ー事例と対策②

 「排せつ場面におけるプライバシー」…非常にデリケートな領域で、トイレ内で排せつ場面の見守りをしたり、オムツ交換時は陰部を露出する必要があったり、個人的な行為に深く関わる場面である。

  • 迅速丁寧な対応:長時間の露出や不快感を防ぐ。
  • 声かけ:ご利用者の気持ちに添う声かけや丁寧な説明により羞恥心を軽減。
  • 臭いや視線への配慮:お香をたくなくさりげない臭いへの対応や視線を防ぐ環境。

プライバシーへの配慮ー事例と対策③

 「日常的な見守りにおけるプライバシー」…転倒リスクがある方やトイレ動作の確認が必要な方に対して、過剰に見守りを意識させる対応や居室・トイレなどの無断進入、頻繁なドアの開閉を行っている。

  • 訪室前の声かけ:ノックをする、挨拶をするなどして急に扉を開けたりしない。
  • 最小限の確認:必要な状況把握のみとし、必要以上に立ち入ったり、見張ったりしない。

プライバシーへの配慮ー事例と対策④

個別なケア内容に関する申し送りなど」…個人的なケアの内容や状態について、ご利用者多くいる場所やご家族、業者などが出入りしている場所などで、必要以上に大きな声で申し送りをしてたり、ご本人の目の前で情報伝達をしたりしている。

  • 伝え方のルールを決める:ご利用者のプライバシーに関わる内容が含まれることが多いため、職員同士のみ分かる伝え方にするなどの配慮が必要
  • 場所を変える:ご利用者本人に聞こえる場所や他の方に聞かれる可能性がある場所を避ける

プライバシーへの配慮ー事例と対策⑤

「生活環境への過度な踏み込み」…自宅訪問時、利用者の許可なく家の中を見回したり、ご利用者や家族が「見られたくない」と感じている場所まで必要以上に立ち入る。不快感を与えると同時に、信頼関係の失墜にもつながる。

  • 訪問時の配慮:ご利用者や家族の了解がないスペースに立ち入らない
  • 事前の確認:立ち入る必要があれば、確認をとる。

プライバシーへの配慮ー事例と対策⑥

「個人的な価値観の押し付け」…ご利用者の生活習慣や価値観(宗教、食事、生活リズムなど)について、個人的な考えを押し付けたり、変更を勧めたりする。

  • 中立的な態度: 利用者の価値観や生活習慣を否定せず、共感的に対応。
  • 傾聴の姿勢: 必要以上のアドバイスを控え、ご利用者の意見を第一に考える。

まとめ

 個人情報とプライバシーは、ご利用者の尊厳そのもの。だからこそ、私たちが何気なく行う行動一つひとつが、ご利用者に安心を与える鍵となります。

 「守る」だけではなく、「安心を作る」ことが私たちの使命。ご利用者が信頼できる空間を作るために、自分の行動をふり返る機会を作りましょう。

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