【実践スキル】メタ思考で変わる現場力

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【実践スキル】メタ思考で変わる現場力

 皆さん、こんにちは。福祉施設の研修講師「いし~ちゃん」です。

 このブログでは、介護や福祉に携わる方に向けて、「短時間で好きな時間に分かりやすく学べる」をモットーに、研修内容や明日から使える介護・福祉に関する知識をご紹介していきます。

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 このブログを活用していただければ、勉強したいと思っている介護・福祉従事者の方はもちろん、研修を担当している方にとっても役立つ内容を得ることができます。

 介護の現場では、日々多くの判断が求められます。利用者一人ひとりに合ったケアを提供するためには、自分の行動や思考を客観的に見つめ直す力が必要です。

 そんな中、近年注目されているのが「メタ思考」という考え方です。メタ思考とは、物事を俯瞰し、自分自身の考えや行動を客観視する力のこと。介護現場においても、メタ思考を身につけることで、ケアの質を高めたり、チームワークを改善したりすることが可能になります。

本記事では、メタ思考の基本的な考え方を紹介するとともに、介護にどのように活かせるかを具体的に解説していきます。

メタ思考とは何か?

 メタ思考は、物事を表面的な出来事や情報に囚われず、視点ある本質や根本構造を理解するための思考方法です。

 例えば、目の前の問題に対して「解決策を考える」だけでなく、その問題がなぜ起こったのか、どのような視点でアプローチすれば根本的な解決に向かうのか、ということが「一段上から」考えるメタ思考の特徴です。

 このような思考が重要なのは、現代社会が複雑化しているからです。メタ思考を活用することで、複雑な問題を分かりやすく明確化し、新たな視点でアプローチできるため、より本質的な解決が可能になるのです。


メタ思考を意識する重要性

 メタ思考を意識して取り組むことで、さまざまなメリットを享受できます。ここでは、メタ思考を養うことで得られる主な注意について紹介します。

1. 気づく

 メタ思考を実践することで、普段の思考プロセスでは見落としがちな側面に気づけるようになります。

 例えば、介護現場で考えた場合、「時間が足りない」とか「人手不足」といった表面的な理由に終結するのではなく、もっと深い理由(チームのコミュニケーション不足、役割分担の不明確さなど)に目を向けることで、根本的な解決策がに見つかり、解決力を高めることにつながると言えるでしょう。

2. 高い思考力が身につく

 メタ思考を実践することで、さまざまな視点から物事を認識する力が養われます。これは、日常の仕事だけでなく、個人の成長や人間関係にも使えるスキルです。

3. 問題解決力の向上

 メタ思考により、問題の本質を見抜く力が解決し、表面的な解決策に頼ることなく、根本的な解決策が見つけやすくなります。

 問題を「部分的に解決する」のではなく、長期的に解決することができるため、トラブルが再発しにくくなり、チームや組織全体の生産性も向上します。

4. アイデアの創造

 新しい発想やアイデアを生み出すには、従来の考え方や価値観に行かず、別の視点から物事を見ることが求められます。

 メタ思考、自分の視点を広げることで、より創造的で斬新なアイデアこのようなアイデアの創造力は、変化の激しい現代社会において、ビジネスでも日常生活でも非常に貴重です。


メタ思考ができる人の特徴

 メタ思考ができる人には、いくつかの共通する特徴があります。得やすくなります。

1. 冷静を保つ力

 メタ思考ができる人は、感情に流されず、冷静に状況を見つめることができます。冷静さは、複雑な問題に打ち勝った際に、正しい選択を導くために重要なスキルです。

2.自分を客観的に見る力

 自分の行動や思考を俯瞰的に見ることができるため、反省や改善に繋がりやすい。そのメタ思考ができる人の特徴です。続けることができます。

3. 物事の本質を見抜く力

 メタ思考ができる人は、表面的な問題だけでなく、表面的な本質的な要素を見抜くことができます。問題解決や意思決定においても、表面的な解決策に存続せず、根本的な課題にアプローチするため、成果も持続しやすくなります。


メタ思考を活用した課題解決の事例

メタ思考は、職場や日常生活におけるさまざまな課題に応用できます。以下は、具体的な課題に対して、メタ思考を使った解決アプローチを示した事例です。

1. 職員間のコミュニケーションの問題

 職員間のコミュニケーションが不足していると、情報が向かうことを気にせず、業務が滞ることがある。さらに、状況に応じた柔軟なコミュニケーション方法を構築し、定期的にその効果を評価・改善することで、よりゆとりのある職場環境が生まれます。

課題の例: 職員Aさんと職員Bさんは同じチーム内で業務をしているものの、連絡不足から誤解が生じ、重要な情報が伝わらず、業務がスムーズに進まない状況が発生しています。たとえば、職員Aさんが業務内容の進捗を上司に報告しようとした際、職員Bさんが担当した部分の進捗が把握できておらず、正確な報告ができなかったというケースです。

メタ思考を活用したアプローチ: まず、職員AさんとBさんが自分たちのコミュニケーションスタイルを振り返り、どこで情報共有が不足していたのかを確認します。次に、連絡のタイミングや頻度、方法などを客観的に見直し、「自分が相手の立場だったら何を求めるか」を考えることで、相手への理解を深めます。その上で、定期的な進捗報告の場を設けるなど、双方が情報を共有しやすい方法を決め、定期的に評価と改善を行います。

2. 利用者と関係の構築

 特定の利用者と信頼関係を築いていない職員がいる場合、その職員が自分の態度を振り返り、関わり方を見直すことが重要です。 他の職員や、信頼関係がうまく築けている職員の事例を参考にし、より良い関係を築くための取り組みを実践することで、ケアの質が向上します。

課題の例: 介護施設において、職員Cさんはある利用者の方とのコミュニケーションに悩んでいます。利用者の方は認知症の症状があり、かつ日頃から人見知りが激しく、警戒心が強いため、Cさんが介助に伺うと警戒してしまい、スムーズにケアができないことが続いています。この結果、信頼関係がなかなか築けず、利用者の方が安心して過ごせない状況が続いています。

メタ思考を活用したアプローチ: まず、職員Cさんは自分のアプローチが相手にどう映っているのかを考えます。そして、利用者の方が安心できるよう、声のトーンや表情、接し方を工夫することを意識します。

 次に、同僚の職員で、その利用者と上手く関係を築けている人の接し方を観察し、どのように信頼関係を作っているかを学びます。具体的には、利用者のペースに合わせた声掛けや、無理に話しかけるのではなく、そっと近くにいるだけで様子を伺うなどの対応を取り入れることで、信頼関係の構築が進むことを目指します。

3. 業務量の負担と効率化

 業務量が多く、職員の負担が大きい場合もメタ思考が有効です。これまでのやり方に囚われず、手順やルールを導入し、トライ&エラーを繰り返しながら改善策を考えることが大切です。労働時間の削減や効率化を図り、職員の負担を軽減する取り組みが求められます。

課題の例: 職員Dさんの部署では、毎日の業務量が多く、定時に仕事が終わらない状況が続いています。たとえば、介護記録の記入が日々の業務の最後に回され、結局残業せざるを得ないことが頻繁に発生しています。職員Dさんは「記録業務にかかる時間を短縮したいが、どうしても時間がかかる」と悩んでいます。

メタ思考を活用したアプローチ: 職員Dさんはまず、自分たちが行っている業務の流れを整理し、「この業務の中で本当に必要な工程は何か」「効率化できる部分はないか」といった視点で見直します。そして、記録業務においても、必要な情報を簡潔にまとめ、メモの段階での工夫を加えるなどして、記録時間を短縮する方法を試みます。また、部内でタスクを分担する方法や、記録のタイミングを見直すことで、業務全体の効率化も図ります。さらに、業務改善を定期的に評価し、必要に応じてプロセスを改善していきます。

4. 新しい技術やICTの導入に対する抵抗

 新しいICT技術や介護ロボットの導入に戸惑いを感じる職員も少なくありません。このような場合には、現在のケア方法を客観的に見直し、必要性や柔軟性を理解する機会を設けることが重要です。他施設の事例や新しいアイデアを積極的に取り入れ、スムーズな導入を目指します。

課題の例: 職員Eさんの施設では、介護業務をサポートするために新しいICT技術や介護ロボットを導入することが決まりました。しかし、職員の中には新技術に対する不安や抵抗があり、業務の変化を受け入れづらい職員もいます。職員Eさんも「今のやり方に慣れているので、新しい機器を使うのが怖い」と不安を抱えています。

メタ思考を活用したアプローチ: まず、職員Eさんは「今の方法がなぜ良いと感じているのか」「新技術がどのように役立つか」を客観的に考え、現在のやり方と新技術の違いを比較します。そして、他の施設での成功事例や、新技術が介護業務を効率化している具体的なケースに触れることで、技術の有効性を理解します。また、段階的な導入や、練習用のシミュレーションを取り入れることで、徐々に新しいツールに慣れる機会を設け、不安を軽減しながら新技術を受け入れる準備を進めます。


メタ思考を高める方法

 メタ思考を実践するためには、日頃から自分の考え方や行動を意識的に観察することが大切です。ここでは、メタ思考を高めるための具体的な方法2つ紹介します。

1.メタ認知のモニタリングと自己コントロール

 感情や行動のパターンを観察し、客観的に認識することで、同様の状況で冷静な判断がしやすくなります。自己コントロールを身につけることで、冷静な対応が可能になります。

  • 行動記録をつける:毎日、自分がした行動やその際の感情、思考を簡単に記録します。たとえば、「上司からの指摘を受けたときにイライラしたが、なぜイライラしたのか」を振り返ります。

  • 感情を意識する:感情的な反応が起きたときに、その感情がどのように生じ、どう自分に影響しているかを冷静に分析します。「なぜイライラしたのか」「どのように行動すればより建設的だったか」を自問してみます。

  • 行動パターンを振り返る:特定の状況で繰り返しがちな行動や思考パターンを認識し、それが望ましいものかどうかを考えます。

 この方法を続けることで、自分の思考や行動パターンが明確に見えてきます。

 日常の中で冷静に自分を見つめ、無意識のうちに繰り返している行動に気づくことができるため、自己コントロール力が高まり、感情に流されることが少なくなります。

 また、自己改善を意識的に行う習慣がつくため、特にストレスの多い場面でも冷静に対処できるようになります。

2. マインドフルネス

 マインドフルネスは、自分の思考や感情と向き合い、今の自分に集中する方法です。具体的には、姿勢を整え、自然な呼吸に意識を向け、今この瞬間に集中することで、余計な思考に決めない状態を問題にします。Googleなどの企業でも導入されているマインドフルネスは、

  • 静かな場所に座り、姿勢を正す:背筋を伸ばし、椅子や床に腰を下ろします。足をしっかりと地面につけ、手は膝の上に置きます。

  • 呼吸に意識を集中:自然な呼吸を続け、吸う息と吐く息を意識します。心が乱れたり、考え事が浮かんできたら、「今考え事をしている」と気づき、また呼吸に意識を戻します。

  • 浮かんできた思考や感情を手放す:頭に浮かんでくる思考や感情に気づいたら、それを追わず、ただ「今、自分が何を感じているか」を観察します。余計な判断をせず、呼吸に意識を戻し続けます。

 マインドフルネス瞑想を行うことで、集中力や冷静さが高まり、思考や感情を客観視する力が身につきます。

 たとえば、職場で予期しない問題が発生したときにも、感情的な反応を抑え、冷静に状況を分析することができるようになります。

 また、マインドフルネスによって「今この瞬間」に意識を向ける習慣がつくため、過去の後悔や未来の不安にとらわれず、現実的な行動を取れるようになります。長期的に行うことで、ストレスの軽減や情緒の安定といったメンタル面の改善も期待できます。


まとめ

メタ思考は、表面的な問題解決にとどまらず、物事の本質に迫り、問題を俯瞰的に理解するための思考方法です。解決力が身につき、アイデア創造力も向上します。また、メタ思考ができる人は冷静な判断力と自己の冷静視がり、周囲から広くも厚いものです。

メタ思考を高めるためには、日々からのメタ認知的モニタリングと自己コントロール、そしてマインドフルネスの実践が重要です。 。

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