【実践スキル】介護職員のためのアサーション研修~上手に伝えるコミュニケーションスキル~

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【実践スキル】介護職員のためのアサーション研修~上手に伝えるコミュニケーションスキル~

 皆さん、こんにちは。福祉施設の研修講師「いし~ちゃん」です。

 このブログでは、介護や福祉に携わる方に向けて、「短時間で好きな時間に分かりやすく学べる」をモットーに、研修内容や明日から使える介護・福祉に関する知識をご紹介していきます。

  • 研修に使える資料がほしい
  • 研修のポイントを知りたい
  • パワーポイントに使える資料が欲しい
  • 勉強したいけど、時間や費用はかけたくない

 このブログを活用していただければ、勉強したいと思っている介護・福祉従事者の方はもちろん、研修を担当している方にとっても役立つ内容を得ることができます。

 今回の記事では、「介護職員のためのアサーション研修」の内容をご紹介していきます。

 アサーションを習得することで、職場の円滑なコミュニケーションなどにつながります。自分の意見をうまく伝えられない方や意見のぶつかり合いになってしまいがちな職場の方におすすめです。

アサーションとは?

 アサーションは、アサーティブなコミュニケーションとも言われます。

 アサーティブとは「自己主張」のことですが、アサーティブなコミュニケーションは、相手の考え方や価値観を尊重し受け止めつつ、自分の意見もきちんと伝えるコミュニケーションスキルです。

アサーションを学ぶメリット

 アサーティブなコミュニケーションを身に付けることで、なかなか伝えにくい事をきちんと相手に伝えることが出来るなど、対等なコミュニケーションを取ることが出来るようになります。

 アサーションを学ぶメリットまとめると以下の3つがあります。

様々な意見やアイディアの創出につながるコミュニケーションができる

人間関係が良好な職場づくりができる

相手を不快にさせない伝え方の技術を習得できる

 人との関わりが多い職場では、必須のコミュニケーションスキルです。

介護現場にアサーションスキルが必要な理由

 介護現場では、ご利用者の会話はもちろん、職員間との情報共有他職種との連携関係事業所との調整など、あらゆる場面において基本となるのがコミュニケーションです。

 様々な職種、様々な世代が働く職場ゆえに、価値観や考え方の違いが生まれやすい環境にあります。だからといって、自分の考えを伝えず、言われたことをただ聞いていれば良いというわけにはいきません

 立場や勤続年数、職種などにより遠慮したり卑屈になることなく、相手を尊重しつつも対等な立場で議論することができるようになるため、アサーションスキルの習得は必要になります。

コミュニケーションスタイルの理解

 アサーションスキルを身につけるためには、自分のコミュニケーションスタイルを理解すること、コミュニケーション相手が、どのコミュニケーションスタイルなのかを知ることが重要です。

 アサーションを学ぶ上で知るべきコミュニケーションスタイルは全部で3つあります。

1,アグレッシブ(自己主張)型

2,ノンアサーティブ(傍観)型

3,アサーティブ型

 それぞれのスタイルについて確認していきましょう。

コミュニケーションスタイル①:アグレッシブ(自己主張)型

自分の立場や職種、その専門性を前面に出して、ただ自分の主張を強く押し通そうとするコミュニケーションスタイルです。

 強い口調になったり、声が大きくなったりして相手より優位な立場に立とうとしてきます。

 相手の意見を受け入れられない姿勢が見られ、意見を伝えても「でも」「それは分かるけど」など、言葉を跳ね返すような表現が多くなります。

 「相手に負けたくない」「自分は正しいことを言っていることを認めさせたい」という自己顕示欲の維持が目的になってしまうので、生産的な議論を行うことが難しくなります。

コミュニケーションスタイル②:ノンアサーティブ(傍観)型

 自分から考えや意見を言わず、周囲の意見に合わせようとするタイプです。

 自分に自信がなく、「間違ったことを言いたくない」「相手に否定されたくない」という恐れから自己主張ができない場合が多いです。また、「責任を取りたくない」「自分のせいにされたくない」という心理も働きます。

 このタイプの嫌なところは、自分の意見は言わないのに、誰かが決めたことに文句を言ったり、ダメ出しをしたりするところです。

 そして、自分が責められると自分の立場を守ろうとする発言や言い訳が多くなるのが特徴です。

コミュニケーションスタイル③:アサーティブ型

 アサーティブ型は、相手の立場も尊重しつつ、自分の意見も主張できるコミュニケーションスタイルです。

 自分の考えを強引に押し付けたりせず、相手の立場やその場の状況に応じて適した表現方法を選択することができます。

 そのために、同じことを伝えるにも、相手のよって口調や態度、使用する言葉を適切に選択することができます。

 「アグレッシブ型」のようなチームワークを乱すような言動もなく、「ノンアサーティブ型」のように自分の意見を言わないということもありません。

 アサーションを意識したコミュニケーションを実践できるのが、アサーティブ型です。

アサーションスキルを身につけるために意識すべき5つの方法

 では、アサーティブなコミュニケーションスタイルを身につけるには、どのようなことを意識していけば良いのかを解説していきます。

 アサーションの要点や考え方を理解し、意識的に行動することでコミュニケーションスキルを向上させることで、職場だけでなく普段のコミュニケーションスキルも向上します。

 この記事では、そのポイントを5つ紹介します。

アサーションを身につける方法①:規則正しい生活を送る

 アサーションを実践していくために必要なのは、心身の健康です。

 疲労感が強かったり、ストレスでイライラしている状態では、アサーションを実践していくことが難しくなります。

 まずは睡眠です。脳を休ませることで冷静な判断や感情のコントロールがしやすくなります。

 そして適度な運動です。運動はストレス解消の効果があったり、セロトニンという幸せホルモンの分泌を促進したりしてくれます。

 アサーションを実践するには、規則正しい生活を送り、心身の健康を保つことが必要になります。

アサーションを身につける方法②:発言の主語を「自分」にする

 【実践スキル】介護職員のためのアンガーマネジメント研修~6つの実践方法と正しい怒り方を解説~の記事の中でもお話した内容です。

 主語を相手に向けると、「相手のしてくれなかったこと」「期待に応えてくれなかったこと」に意識が向き、攻撃的な言動につながりやすくなってしまいます。

 「自分はこうしてほしかった」「自分はこう感じた」と主語を「自分」に置き換えることで、自分の伝えたいことを正しく伝えることができるようになります。

アサーションを身につける方法③:相手を「否定」や「非難」をしない

 相手の考えを「否定」や「非難」してしまうと、そこでコミュニケーションは終了してしまいます。

 相手が「この人は私の意見を聞いてくれない」と感じた瞬間、心を閉ざし話すことを諦めてしまいます。

 例え自分の意見と違っていても、相手を一度受け入れると、その後も意見が出やすくなり、コミュニケーションが活発になります。そうすることで、より良いアイデアの創出につなげることができます。

アサーションを身につける方法④:自分の感情を認知する

 相手のことを受け入れると同時に、自分の感情を認めてあげることも重要です。

 嫌なことを言われたり、不快な出来事があれば、誰もが不快な気持ちになります。しかし、その感情のままに発してしまった言葉や起こした行動は、あとで後悔することが非常に多いです。

 感情表現は人間に必要な能力です。その感情を自分自身が否定することなく、まずは受け入れて、その後にどう行動すべきかを考えるように意識していきましょう。

アサーションを身につける方法⑤:感謝を伝えること

 普段から感謝の気持ちを伝えることを意識できると、周囲との関係性も良くなります。

 「すみません」より「ありがとう」と言われた方が気持ちが良いですよね。

 介護現場では、職員に対してもご利用者に対しても、何かと「すみません」という言葉を使いがちになってしまいます。

 その言葉を「ありがとう」に変えるだけで、コミュニケーションが生まれやすい雰囲気が作れます。

アサーション研修のまとめ

 介護現場は、コミュニケーションが基本です。

 その中で、相手の意見を聞いたり、自分の意見を伝えることでより良い介護サービスにつながっていきます。

 今回紹介した方法を実践し、ぜひコミュニケーション良好な職場づくりを目指してみてはいかがでしょうか?

 次の記事もお楽しみに!

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