【2026年版】メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種|第1章の重要ポイントと試験対策

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【2026年版】メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種|第1章の重要ポイントと試験対策

メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種(ラインケアコース)の合格を目指す方に向けて、第1章「メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割」の重要ポイントを解説します。

第1章では、職場のメンタルヘルス対策が必要とされる背景や、企業に求められる法的責任、管理監督者の役割などを学びます。

試験対策では、特に次の内容を押さえておきましょう。

  • 労働安全衛生法と安全配慮義務の違い
  • ハラスメントの定義と防止措置
  • 4つのメンタルヘルスケア
  • 1次・2次・3次予防
  • ストレスチェック制度
  • 長時間労働者への面接指導
  • ワーク・エンゲイジメントなどの重要用語

法律名や数字を単独で暗記するのではなく、似た制度の違いを整理することが効率的な学習につながります。

※本記事は2026年10月時点で確認できる公的情報をもとに作成しています。2026年11月の公開試験から公式テキスト第6版に準拠した出題となるため、最終的な学習では公式テキストも確認してください。

1.職場のメンタルヘルス対策が必要とされる背景

労働者のストレスの現状

職場のメンタルヘルス対策を理解するうえで、まず押さえておきたいのが労働者のストレスの現状です。

厚生労働省の「令和6年労働安全衛生調査(実態調査)」では、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者について、その内容として最も多かったのは「仕事の量」の43.2%でした。

また、令和7年調査では「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」が、いずれも39.5%となっています。

このように、仕事の量や責任に関する問題は、労働者のストレスを考えるうえで重要な要素です。

試験対策のポイント

統計問題では、調査年と数値をセットで覚えることが大切です。異なる年度の数値を混同しないようにしましょう。

精神障害の労災補償状況

メンタルヘルス不調は、労災補償の対象となる場合があります。

厚生労働省が公表した令和6年度の精神障害に関する労災補償状況は、次のとおりです。

項目令和6年度
労災請求件数3,780件
支給決定件数1,056件

令和7年度は請求件数4,958件、支給決定件数1,082件となっています。

なお、請求件数と支給決定件数は、必ずしも同じ年度に請求された案件同士を比較したものではありません。

試験対策のポイント

「請求件数」と「支給決定件数」は異なる数字です。名称の違いにも注意しましょう。

2.企業に求められる法的責任

労働安全衛生法と安全配慮義務の違い

企業が労働者の健康と安全を守るためには、法令に基づいた対策が必要です。

ここで重要なのが、労働安全衛生法と安全配慮義務の違いです。

項目内容
労働安全衛生法職場における労働者の安全と健康を確保するための法律
安全配慮義務労働契約に伴い、使用者が労働者の生命・身体等の安全に配慮する義務
安全配慮義務の根拠労働契約法第5条

労働安全衛生法は1972年に制定されました。

一方、安全配慮義務は判例を通じて確立され、2008年施行の労働契約法第5条で明文化されています。

注意したいのは、労働安全衛生法に違反していなければ、必ず安全配慮義務を果たしていることになるわけではないという点です。

試験対策のポイント

安全配慮義務を明文化した法律は、労働安全衛生法ではなく、労働契約法第5条です。

労災保険と損害賠償の違い

労働災害が発生した場合には、労災保険による補償と、民事上の損害賠償を区別して考える必要があります。

労災保険は、業務上の事由などによる負傷、疾病等に対して、法律に基づく保険給付を行う制度です。

労災保険給付は、事業主の過失が認められることを支給の一般的な要件としていません。

また、労災保険の給付には、精神的苦痛に対する慰謝料は含まれません。

そのため、使用者に民事上の賠償責任が認められる場合には、労災保険とは別に損害賠償が問題となることがあります。

試験対策のポイント

  • 労災保険:法定の保険給付
  • 民事上の損害賠償:使用者等の賠償責任に基づく請求
  • 慰謝料:労災保険給付には含まれない

3.ハラスメント対策の基本

パワーハラスメントの3要素

職場におけるパワーハラスメントは、次の3つの要素をすべて満たすものです。

  1. 優越的な関係を背景とした言動
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
  3. 労働者の就業環境が害されること

ここで重要なのは、3つの要素をすべて満たす必要があることです。

また、優越的な関係とは、単純な役職の上下関係だけを意味するものではありません。

専門知識や経験、人間関係などによって、相手が抵抗や拒絶をしにくい関係も含まれます。

なお、客観的にみて業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は、パワーハラスメントには該当しません。

ハラスメント防止措置の義務化

ハラスメント対策では、法律による防止措置の義務化も押さえておきましょう。

種類重要な時期
セクシュアルハラスメント2007年4月から防止措置義務
妊娠・出産等に関するハラスメント2017年1月から防止措置義務
パワーハラスメント2020年6月から大企業で防止措置義務
パワーハラスメント(中小企業)2022年4月から防止措置義務
カスタマーハラスメント2026年10月から防止措置義務

特にパワーハラスメントについては、法律上の防止措置義務と、個々の言動に対する刑事罰を混同しないことが重要です。

パワーハラスメント防止措置義務の規定そのものは、パワハラ行為を一律に刑事罰で処罰する制度ではありません。

ただし、個々の行為が暴行罪、脅迫罪などの犯罪に該当する可能性はあります。

4.メンタルヘルスケアの基本となる4つのケア

4つのケアとは

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、4つのメンタルヘルスケアが示されています。

4つのケア主な内容
セルフケア労働者自身によるストレスへの気づきと対処
ラインによるケア管理監督者による職場環境の改善や相談対応
事業場内産業保健スタッフ等によるケア産業医や保健師等による専門的な支援
事業場外資源によるケア外部の専門機関や医療機関等の活用

Ⅱ種はラインケアコースですので、特に「ラインによるケア」が重要です。

ラインによるケアと管理監督者の役割

ラインによるケアとは、日常的に労働者と接する管理監督者が行うメンタルヘルスケアです。

主な役割は、次のとおりです。

  • 職場環境等の把握と改善
  • 労働者からの相談対応
  • メンタルヘルス不調への気づきと適切な対応
  • 職場復帰支援への協力
  • 産業保健スタッフ等との連携

ここで注意したいのは、管理監督者が自分だけですべてを解決する必要はないということです。

必要に応じて、産業医や保健師、人事労務担当者などと連携することが求められます。

また、メンタルヘルス指針でいう管理監督者は、労働基準法第41条第2号に定める管理監督者と必ずしも同じ範囲ではありません。

試験対策のポイント

ラインによるケアの中心は、日常的な職場環境の把握・改善と労働者への対応です。

5.メンタルヘルス対策の3段階の予防

1次予防・2次予防・3次予防

メンタルヘルス対策は、目的によって3つの段階に分けられます。

予防段階目的具体例
1次予防メンタルヘルス不調の未然防止ストレスチェック、職場環境改善
2次予防不調の早期発見と早期対応相談対応、医師による面接指導
3次予防職場復帰支援と再発防止復職支援、復職後のフォロー

試験では、それぞれの取り組みがどの段階に該当するかを整理しておくことが大切です。

特に間違えやすいのが、ストレスチェック制度と医師による面接指導です。

  • ストレスチェック制度の主な目的:1次予防
  • 不調の早期発見・対応を目的とした面接指導:2次予防

「検査を行うから2次予防」と単純に考えないようにしましょう。

6.ストレスチェック制度の重要ポイント

ストレスチェック制度の目的

ストレスチェック制度は、2015年12月に施行されました。

主な目的は、労働者自身がストレスの状態に気づき、メンタルヘルス不調を未然に防止することです。

つまり、1次予防が中心となります。

ストレスチェックでは、主に次の3つの領域を調べます。

  1. 仕事のストレス要因
  2. 心身のストレス反応
  3. 周囲のサポート

ストレスチェックの実施義務

2026年10月時点では、常時50人以上の労働者を使用する事業場で、原則として1年以内ごとに1回の実施が義務付けられています。

50人未満の事業場についても、2025年の法改正により義務化が決定し、2028年4月1日から施行されます。

また、ストレスチェックの実施義務は事業者に課されるものであり、労働者自身に受検義務があるわけではありません。

ストレスチェックの実施者

ストレスチェックの実施者となることができるのは、医師、保健師のほか、所定の研修を修了した一定の専門職です。

具体的には、歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師などが該当します。

一方、解雇、昇進、異動などについて直接の権限を持つ監督的地位の者は、その権限が及ぶ労働者のストレスチェックの実施事務に従事できません。

ストレスチェックで覚えたい数字

項目重要な数字
職業性ストレス簡易調査票57項目
高ストレス者の面接指導の申出結果通知後、遅滞なく(おおむね1か月以内)
医師による面接指導申出後、遅滞なく(おおむね1か月以内)
面接指導結果の記録5年間保存

なお、57項目の調査票は代表的なものであり、すべてのストレスチェックで必ず57項目を使用しなければならないわけではありません。

また、個人のストレスチェック結果を事業者に提供する場合には、原則として本人の同意が必要です。

試験対策のポイント

ストレスチェックの「実施者」「実施事務従事者」「事業者」の役割を混同しないことが重要です。

7.長時間労働者への面接指導

医師による面接指導の対象

長時間労働による健康障害を防止するため、一定の要件に該当する労働者には医師による面接指導が行われます。

対象主な基準
一般の労働者月80時間超の時間外・休日労働、疲労の蓄積、本人の申出
研究開発業務従事者月100時間超の時間外・休日労働の場合、申出によらず実施
高度プロフェッショナル制度対象者健康管理時間について法定の月100時間超の基準に該当する場合、申出によらず実施

一般の労働者については、時間外・休日労働が月80時間を超えただけで、すべての場合に自動的に面接指導が実施されるわけではありません。

対象者の要件と本人の申出を区別して覚えましょう。

時間外労働の上限規制

時間外労働の上限規制についても、重要な数字を整理しておきましょう。

項目上限
原則月45時間・年360時間
特別条項がある場合の時間外労働年720時間以内
時間外労働+休日労働月100時間未満
時間外労働+休日労働の複数月平均2〜6か月平均で月80時間以内

特別条項がある場合も、原則の月45時間を超えられるのは年6か月までです。

なお、一部の業務には別の規制や例外があります。上記は一般的な上限規制の整理です。

試験対策のポイント

「80時間超」と「100時間超」、そして「100時間未満」の違いに注意してください。

8.自殺対策とアルコール対策

自殺対策に関する重要事項

自殺対策基本法は2006年に制定されました。

また、2016年の改正では、自殺対策の推進に関する取り組みが強化されています。

試験対策では、次の日付を覚えておきましょう。

  • 自殺予防週間:9月10日〜16日
  • 自殺対策強化月間:3月

アルコール健康障害対策

アルコール健康障害対策基本法は2013年に制定されました。

アルコール関連問題啓発週間は、毎年11月10日〜16日です。

自殺予防週間とアルコール関連問題啓発週間は、日付を入れ替えた問題に注意しましょう。

9.健康で活力ある職場づくり

アブセンティズムとプレゼンティズム

職場の健康問題と生産性の関係を理解するうえで、重要な用語が2つあります。

アブセンティズム

健康問題によって欠勤や休業が生じ、労働力が失われること。

プレゼンティズム

出勤はしているものの、健康問題によって本来の仕事のパフォーマンスを十分に発揮できないこと。

この2つは、欠勤しているか、出勤しているかという違いで整理すると覚えやすくなります。

ワーク・エンゲイジメント

ワーク・エンゲイジメントとは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態のことです。

構成する要素は、次の3つです。

試験では、これら3つの要素を正確に覚えておきましょう。

また、仕事の資源がワーク・エンゲイジメントを高める方向に働く過程を「動機づけプロセス」、過大な仕事の要求度などが心身の健康問題につながる過程を「健康障害プロセス」といいます。

10.第1章の理解度チェック

ここまで学んだ内容を、○×問題で確認しましょう。

問題1:安全配慮義務

安全配慮義務は、労働安全衛生法第5条に明文化されている。

正解:×

安全配慮義務が明文化されているのは、労働契約法第5条です。

問題2:パワーハラスメント

パワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動であれば、業務上必要な指導であっても必ず該当する。

正解:×

パワーハラスメントは、3つの要素をすべて満たす必要があります。

業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な指導は、パワーハラスメントには該当しません。

問題3:4つのケア

ラインによるケアとは、管理監督者が職場環境の改善や労働者への相談対応を行うことである。

正解:○

ラインによるケアは、管理監督者による日常的なメンタルヘルス対策です。

問題4:ストレスチェック

ストレスチェック制度の主な目的は、メンタルヘルス不調者を早期に発見する2次予防である。

正解:×

主な目的は、メンタルヘルス不調の未然防止、つまり1次予防です。

問題5:長時間労働

一般の労働者について、時間外・休日労働が月80時間を超えた場合には、本人の申出がなくても必ず医師による面接指導を実施しなければならない。

正解:×

一般の労働者については、疲労の蓄積が認められ、本人から申出があった場合などの要件を確認する必要があります。

問題6:ワーク・エンゲイジメント

ワーク・エンゲイジメントを構成する3つの要素は、活力・熱意・没頭である。

正解:○

この3要素はセットで覚えておきましょう。

11.第1章の重要ポイントまとめ

最後に、第1章で押さえておきたい知識を整理します。

テーマ覚えるべきポイント
安全配慮義務労働契約法第5条
労災保険慰謝料は給付に含まれない
パワーハラスメント3要素をすべて満たす
4つのケアセルフ・ライン・事業場内・事業場外
1次予防メンタルヘルス不調の未然防止
2次予防早期発見・早期対応
3次予防職場復帰支援・再発防止
ストレスチェック主な目的は1次予防
長時間労働者への面接指導労働時間・疲労の蓄積・申出等の要件
ワーク・エンゲイジメント活力・熱意・没頭

メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の学習では、法律名や数字を覚えることも重要ですが、似た制度の違いを正確に理解することが欠かせません。

特に第1章は、今後の章で学ぶストレス、職場環境の改善、労働者への相談対応などの基礎となる内容です。

まずは今回の重要ポイントを確認し、公式テキストや問題演習を通じて知識を定着させていきましょう。

次回は、第2章「ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識」を解説します。

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